ED治療に保険は使えるか、自由診療の費用の内訳と公的資料で確認できた範囲
EDのオンライン診療は、各サービスが自由診療(公的医療保険を使わない診療)と表示しています。費用は全額が自己負担です。厚生労働省の資料では、シルデナフィルとタダラフィルの先発品について、保険適用の対象として想定されるのは「勃起不全による男性不妊のみ」とされています。
医療費控除については、国税庁の資料にED治療を名指しした記載を確認できませんでした。この記事は、公的な資料で確認できた範囲と、確認できなかった点を分けて書きます。
保険適用について厚生労働省の資料に書かれていること
厚生労働省の「令和4年度診療報酬改定の概要 不妊Ⅰ」(令和4年3月4日版)は、不妊治療の保険適用を説明する資料です。この中で、シルデナフィルとタダラフィルの先発品(医療用)について、次のように書かれています。
「保険適用の対象として想定されるのは、勃起不全による男性不妊のみ」
確認できたのはこの記載までです。次の点は、今回確認できていません。
- 保険適用になる場合の詳しい要件(処方する医師、数量など)
- ED治療薬の各製品の添付文書に、保険給付に関する記載があるかどうか
- 後発品の扱い
男性不妊の治療として保険で受けられるかどうかは、不妊治療を行っている医療機関に相談してください。オンライン診療の各サービスで扱っているのは、自由診療としてのED治療です。
各サービスの保険・保険証についての表示
公式サイトに保険や保険証についての記載があったサービスを並べた表です。
| サービス | 公式の記載 |
|---|---|
| あしたのクリニック | 自由診療のため保険証は不要。診療履歴が残ることもないと表示。本人確認ができるものを用意する |
| Oops LOVE | 「健康保険は適用されず、自費診療となります」 |
| 新橋ファーストクリニック | 「当院の診療科目は全て保険適応外の自由診療となりますので、保険証を必要としません。」 |
| DMMオンラインクリニック | 自由診療科目を扱っているため保険証は不要。身分証明書の提示は診察時に求められる |
| フィットクリニック | 「当院は保険外治療(自由診療)のため、保険証をお持ちいただく必要はございません」 |
| ユナイテッドクリニック | 保険証不要 |
レバクリ、クリニックフォア(自費診療)、イースト駅前クリニック、eLifeは、ED治療での保険証の要否を公式ページから確認できませんでした。
保険証が不要でも、本人確認は別に必要です。厚生労働省の指針は、初診の本人確認を「原則として、顔写真付きの身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等)で行う」としています。詳しくは本人確認の記事にあります。
自由診療の費用の内訳
払う金額は次の3つの合計です。
- 薬代(成分、規格、錠数、国内製か海外製かで変わる)
- 診察料(0円のサービスが多い)
- 送料(オンライン診療の場合)
支払い方法によっては、代金引換や後払いの手数料が加わります。
診察料と送料の公式表示を、五十音順に並べた表です。
| サービス | 診察料 | 送料 |
|---|---|---|
| あしたのクリニック | 0円 | 金額は確認できず(20錠セットで無料) |
| イースト駅前クリニック | 無料(薬を買わない場合は3,300円の場合あり) | 1,100円(初診は1万円以上で無料) |
| eLife | 0円(薬代に含むと表示) | 550円 |
| Oops LOVE | 無料 | 550円(商品ページに「別途500円」の表記もあり。税込表記は未確認) |
| クリニックフォア | 1,650円 | 550円 |
| 新橋ファーストクリニック | 0円 | 550円(代引は送料と手数料で1,200円) |
| DMMオンラインクリニック | 0円 | 550円 |
| フィットクリニック | 無料(診察後の自己判断キャンセルは3,000円) | 385円〜(1万円以上で無料) |
| ユナイテッドクリニック | 0円 | ゆうパケット無料/ゆうパック1,000円 |
| レバクリ | 0円 | 550円 |
薬代は1錠あたりの価格の記事で、成分と規格をそろえて並べています。送料は送料一覧、診察料は診察料一覧にもまとめています。
薬局で買う場合の費用
薬局で買える市販のタダラフィル10mg(要指導医薬品)は、4錠で希望小売価格5,808円(税込)です。診察料と送料はかかりませんが、薬剤師の確認と服薬指導を受ける必要があります。買い方は市販薬の記事にあります。
医療費控除について確認できた範囲
医療費控除は、払った医療費を所得税の計算で差し引く制度です。国税庁のタックスアンサーNo.1122(令和8年4月1日現在法令等)は、対象となる医療費を次のように書いています。
- 「医師または歯科医師による診療または治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)」
- 「治療または療養に必要な医薬品の購入の対価」。風邪薬などの購入代金は医療費となるが、ビタミン剤など病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費とならない
所得税基本通達73-4は、容姿を美化し、または容ぼうを変えるなどのための費用は医療費に当たらないとしています。
国税庁の資料で、ED治療を名指しして対象になる・ならないと書いた記載は、当サイトが確認した範囲にはありませんでした。そのため、ED治療の費用が医療費控除の対象になるかどうかを、この記事では断定できません。申告を考える場合は、税務署に確認してください。AGAを含めた整理はAGA・ED治療と保険・医療費控除の記事にあります。
副作用が出たときの救済制度
自由診療で処方された薬でも、国内で承認された薬であれば、医薬品副作用被害救済制度の対象になります。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、対象を「厚生労働大臣の許可を受けた医薬品」とし、病院・診療所で投薬された薬も薬局で買った薬も対象としています。救済されるのは、適正に使用したにもかかわらず起きた、入院が必要な程度の副作用などです。
国内で承認されていない海外製の薬は、この制度の対象になりません。海外製を扱うサービスは、公式ページにその旨を表示しています。
自由診療にもオンライン診療の指針は適用される
厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、保険診療と自由診療の両方に適用されます(指針Q&AのQ1)。自由診療だからといって、本人確認や禁忌の確認が省かれるわけではありません。
よくある質問
Q. ED治療薬に保険は使えますか
オンライン診療の各サービスは自由診療と表示しており、全額が自己負担です。厚生労働省の資料は、シルデナフィルとタダラフィルの先発品について、保険適用の対象として想定されるのは勃起不全による男性不妊のみとしています。
Q. 保険証を出さないと、受診の記録は残りませんか
あしたのクリニックは「診療履歴が残ることもありません」と表示しています。ほかのサービスでは、この点の記載を確認できませんでした。
Q. ED治療の費用は医療費控除の対象ですか
断定できません。国税庁の資料にED治療を名指しした記載を確認できなかったためです。税務署に確認してください。
Q. 自由診療だと金額はクリニックごとに違いますか
違います。同じ成分・規格でも、サービスによって表示の金額が分かれています。
Q. 診察料がかかるサービスはありますか
クリニックフォアは診察料1,650円を表示しています。イースト駅前クリニックとフィットクリニックは、薬を買わない場合などに診察料がかかる条件を書いています。
この記事の要点
- EDのオンライン診療は自由診療で、費用は全額が自己負担
- 厚生労働省の資料では、保険適用の対象として想定されるのは勃起不全による男性不妊のみ
- 払う金額は、薬代+診察料+送料。支払い方法によって手数料が加わる
- 医療費控除の対象になるかどうかは、国税庁の資料では確認できなかった。税務署に確認する
- 国内承認薬は救済制度の対象。海外製の未承認薬は対象にならない