EDの診療ガイドラインに書かれている定義と治療薬の位置づけ、確認できた範囲
EDの診療ガイドラインの最新版は、日本性機能学会と日本泌尿器科学会が編集した「男性性機能障害診療ガイドライン 2025年版」です。2025年9月に発刊されました。書籍として販売されており、当サイトは本文を確認できていません。
確認できたのは2点です。旧版(ED診療ガイドライン第3版)にあるEDの定義と、厚生労働省がオンライン診療の指針Q&Aで2025年版から引用している治療薬の位置づけです。この記事は、その範囲だけを書きます。
ガイドラインの2つの版
最新版と旧版の情報を並べた表です。
| 項目 | 男性性機能障害診療ガイドライン 2025年版 | ED診療ガイドライン 第3版 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 最新版 | 旧版 |
| 編集・発行 | 日本性機能学会/日本泌尿器科学会が編集 | 発行はリッチヒルメディカル。日本性機能学会のサイトに掲載 |
| 発行 | 2025年9月19日(厚生労働省のQ&Aでは「令和7年9月発刊」) | Mindsの掲載では2018年1月15日。PDFの奥付の読み取りでは2017年12月 |
| 入手方法 | 書籍(定価は本体5,800円+税)。学会の案内ページにPDFの公開リンクは記載なし | 学会サイトでPDFを公開 |
| 当サイトが確認できた内容 | 厚生労働省のQ&Aに引用されている一文 | 第1章の定義。第6章に併用禁忌と偽造薬の項があること |
ガイドラインとは、学会が研究の結果をもとに、診療の進め方をまとめた文書です。名称は「ED診療」から「男性性機能障害診療」に変わっています。
EDの定義
ED診療ガイドライン第3版の第1章は、EDを次のように定義しています。
「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」
この定義のポイントは2つです。
- 勃起がまったく起こらない状態だけを指していない。「維持できない」状態も含まれる
- 一度きりではなく、「持続または再発する」状態を指している
市販のタダラフィル10mg(要指導医薬品)の添付文書も、対象を「満足な性行為を行うに十分なぼっ起とその維持が出来ない人」と書いています。
自分がEDに当てはまるかどうかは、この定義を読んで自分で決めるものではありません。診察で医師が判断します。
治療薬の位置づけ
厚生労働省は、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A(令和8年4月改訂)のQ18で、2025年版のガイドラインを引用しています。
「男性性機能障害診療ガイドライン(令和7年9月発刊)において、ED治療の第一選択であるPDE5阻害薬は、硝酸薬や一酸化窒素(NO)供与薬との併用が禁忌とされており」
この一文から分かることを整理した表です。
| 分かること | 内容 |
|---|---|
| 第一選択 | ED治療の第一選択はPDE5阻害薬という種類の薬とされている |
| 併用禁忌 | PDE5阻害薬は、硝酸薬、一酸化窒素(NO)供与薬と一緒に使えない |
| 処方の条件 | 禁忌事項の確認なしに処方することはできない(Q&Aの記載) |
第一選択とは、治療で最初に検討される方法という意味です。一緒に使えない薬についてはED薬と一緒に使えない薬に、公的資料の記載をまとめています。
確認できなかったこと
次の内容は、当サイトでは確認できていません。そのため、この記事には書いていません。
- 2025年版の推奨の強さ(推奨グレード)と、個別の治療についての記載
- 薬ごとの違いについてのガイドラインの記載
- 一緒に使えない薬の全部の一覧(確認できたのは硝酸薬とNO供与薬)
- 第3版の第6章の本文(「硝酸薬、NO供与剤との併用禁忌」「偽造PDE5阻害薬」という項があることは確認)
ほかのサイトでガイドラインの内容として書かれた説明を読むときは、どの版のどの章に基づくかが示されているかを確かめてください。
オンライン診療との関係
厚生労働省の指針は、保険診療と自由診療の両方に適用されます。指針の本文は、不適切な例として「勃起不全治療薬等の医薬品を、禁忌の確認を行うのに十分な情報が得られていないにもかかわらず、オンライン診療のみで処方する例」を挙げています。
一方でQ&Aは、指針やガイドラインに準拠したオンライン診療の問診で禁忌の確認を行うことは妨げない、としています。つまり、オンライン診療でED治療薬を処方すること自体が否定されているわけではなく、禁忌の確認が前提になっています。
診察を受ける側ができることは、服用中の薬と病歴を正確に伝えることです。指針の内容は初診からオンラインで受けられる条件と信頼できるオンライン診療の見分け方で扱っています。
診察までの流れ
ガイドラインの本文にある診療の手順は確認できていません。ここでは、オンライン診療の各サービスが公式に案内している流れを書きます。
- 予約する
- 問診票に、症状、病歴、服用中の薬を書く
- 医師の診察を受ける(ビデオ通話または電話)
- 医師が処方できると判断した場合に、薬が処方される
- 決済して、薬を受け取る
各サービスの診察の手段は診察の方法の記事に並べています。
AGAのガイドラインとの違い
AGA(男性型脱毛症)のガイドラインは、日本皮膚科学会がPDFで公開しており、治療ごとの推奨度を一覧で確認できます。EDの2025年版は書籍のため、同じ形の一覧を当サイトでは作れていません。AGAの推奨度はAGAのガイドラインの記事にあります。
よくある質問
Q. ガイドラインは無料で読めますか
旧版の第3版は、日本性機能学会のサイトでPDFが公開されています。最新の2025年版は書籍で、学会の案内ページにPDFの公開リンクは記載されていません。
Q. 第3版と2025年版は何が違いますか
名称が「ED診療ガイドライン」から「男性性機能障害診療ガイドライン」に変わっています。本文の違いは、当サイトでは確認できていません。
Q. ガイドラインはどの薬をすすめていますか
個別の薬についての記載は確認できていません。確認できたのは、PDE5阻害薬がED治療の第一選択とされていることです。どの薬を使うかは医師に相談してください。
Q. ED治療は保険が使えますか
厚生労働省の資料は、シルデナフィルとタダラフィルの先発品について、保険適用の対象として想定されるのは勃起不全による男性不妊のみとしています。詳しくはED治療と保険の記事にあります。
Q. ガイドラインに従っていないクリニックは違法ですか
ガイドラインは学会の文書で、法律ではありません。オンライン診療については、厚生労働省の指針が別にあります。当サイトは、個別のクリニックが指針やガイドラインに合っているかどうかの判定はしていません。
この記事の要点
- 最新版は「男性性機能障害診療ガイドライン 2025年版」。書籍で、当サイトは本文を確認できていない
- 旧版の第3版は、EDを「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義している
- 厚生労働省のQ&Aによると、PDE5阻害薬はED治療の第一選択で、硝酸薬・NO供与薬との併用は禁忌
- 推奨グレードや薬ごとの記載は確認できていない
- 当てはまるかどうか、どの薬を使うかは医師が判断する