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初診からオンライン診療を受けられる条件 厚労省の指針(令和8年4月改訂)の要点

制度・ルール公式サイトの確認日:

初診からのオンライン診療は、原則として「かかりつけの医師」が行います。かかりつけでない医師でも、既往歴や服薬歴などの情報を把握でき、医師が可能と判断した場合は実施できます。それ以外は「診療前相談」を経る必要があります。根拠は、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂)です。

根拠になる文書

指針は平成30年3月に策定され、令和8年4月の改訂が最新です。令和8年4月1日に、オンライン診療に関する医療法上の規定が施行されました。指針はこの法改正を踏まえて改訂されています。

この記事で参照した文書を並べた表です。

文書名 作成・改訂 中身
オンライン診療の適切な実施に関する指針 平成30年3月策定、令和8年4月改訂 本文。初診、処方、本人確認などのルール
同指針に関するQ&A 平成30年12月作成、令和8年4月改訂 Q1〜Q32。指針の解釈
指針改訂の概要 令和8年4月 改訂点の一覧
安心・安全にオンライン診療を受けるためのチェックリスト(患者ver.) 日付の記載なし 患者が確認する項目

指針は保険診療と自由診療の両方に適用されます(Q&AのQ1)。AGAやEDの自由診療も対象です。指針が定める本人確認は本人確認の記事、受診の段階はオンライン診療の流れに分けて書きました。

初診の原則と例外

指針Ⅴ1(2)②ⅲは、初診の扱いを次のように定めています。

  1. 原則は、かかりつけの医師が行う。
  2. かかりつけの医師でなくても、既往歴、服薬歴、アレルギー歴などのほか、問診と視診を補うのに必要な医学的情報を把握でき、患者の症状と合わせて医師が可能と判断した場合は実施できる。
  3. 1と2に当たらない場合は、診療前相談を行う。

「初診」の範囲はQ&AのQ4に書かれています。初めて診察を受ける場合だけではありません。継続して診療を受けていても、新たな症状について診察を受ける場合は初診です。治療が長期間中断したあとに、同じ病気で再び診察を受ける場合も初診に含まれます。

診療前相談とは

診療前相談は、医師が患者の症状と医学的情報を確認する行為です(指針Ⅲ1)。医師と患者の双方が可能と判断して合意した場合に、オンライン診療へ進めます。診療前相談そのものには、診断と処方は含まれません。

Q&AのQ7は、診療前相談の前にメールやチャットで患者から情報を集めることは差し支えないとしています。そのうえで「診療前相談は映像を用いたリアルタイムのやりとりで行ってください」と書いています。

初診で処方できない薬と日数

初診のオンライン診療では処方に制限があります。指針Ⅴ1(5)②ⅰとQ&Aの内容を並べた表です。

制限の内容 箇所
麻薬及び向精神薬の処方はできない 指針Ⅴ1(5)②ⅰ
基礎疾患等の情報が把握できていない患者には、特に安全管理が必要な薬品を処方できない 指針Ⅴ1(5)②ⅰ、Q&A Q22
基礎疾患等の情報が把握できていない患者には、8日分以上を処方できない(上限は7日間) 指針Ⅴ1(5)②ⅰ、Q&A Q23
初診も再診もオンラインだけの患者への処方は「初診と同等に取扱うことが妥当」 Q&A Q21

Q21には補足があります。処方の判断に使う「過去の診療録」には、すべてオンラインで実施した診療の記録は含まれません。

公式サイトにこの制限を書いているサービスもあります。Oops LOVEは、麻薬及び向精神薬は初診で処方できないこと、基礎疾患の情報が把握できない場合は初診では原則7日分までであることを記載しています(2026年10月7日に公式サイトで確認)。

ED治療薬とAGA治療薬の扱い

指針は、不適切な例としてED治療薬を名指ししています。「勃起不全治療薬等の医薬品を、禁忌の確認を行うのに十分な情報が得られていないにもかかわらず、オンライン診療のみで処方する例」です(指針Ⅴ1(5)④ⅱ)。禁忌は、その薬を使ってはいけない条件のことです。

Q&AのQ18は、男性性機能障害診療ガイドライン(令和7年9月発刊)を引いています。ED治療の第一選択であるPDE5阻害薬は、硝酸薬や一酸化窒素(NO)供与薬との併用が禁忌とされています。Q18は、禁忌の確認なしに処方することはできないとしたうえで、指針やガイドラインに沿った問診で禁忌を確認することは妨げないとしています。併用の注意はED薬と一緒に使えない薬にまとめました。

AGA治療薬については、指針とQ&Aの取得できた範囲で個別の記載を確認できませんでした。指針がAGA治療薬に触れているとは書けません。

各社の公式サイトにある「初診からオンライン」の記載

初診からオンラインで受けられるかについて、各社の公式記載を並べた表です(2026年10月7日に公式サイトで確認、五十音順)。

サービス 公式の記載
イースト駅前クリニック(ED) 初診からオンラインに対応
AGAヘアクリニック 可。症状により半年に1回を目安に来院が必要な場合がある
銀座総合美容クリニック 「初診よりAGAオンライン診療に対応」。対面とオンラインの組み合わせをすすめる旨の記載あり
ゴリラクリニック(AGA) 「初診再診問わず受診可能です」
湘南AGAクリニック 「初診から来院不要」。症状により対面診療が必要な場合がある
新橋ファーストクリニック(ED) 初診の人は健康診断の結果(1年以内)や使用中の薬一覧などを用意。医師から指示された場合は来院して対面で受診
Dr.AGAクリニック 可。初回はマイクロスコープ検査、血圧検査、血液検査が望ましく、可能なら来院を推奨
フィットクリニック(ED) 初診からオンライン可
ユナイテッドクリニック(ED) 初診から電話診療可

この表は公式サイトの記載を写したものです。各社が指針に適合しているかどうかを当サイトが評価したものではありません。指針とQ&Aは、個別の事業者の適否を示していません。

指針は、オンライン診療が適切でないと医師が判断した場合、オンライン診療を中止して速やかに対面診療につなげることも定めています(指針Ⅴ1(1)②ⅲ)。初診からオンラインで始めた場合でも、診察の結果、医師の判断で処方されない場合があります。対面とオンラインの違いは対面とオンラインの違いに書きました。

よくある質問

Q. かかりつけの医師がいなくても初診からオンラインで受けられますか

指針は、医師が既往歴、服薬歴、アレルギー歴などの医学的情報を把握でき、可能と判断した場合は実施できるとしています。そうでない場合は診療前相談を行います。受けられるかどうかは医師の判断です。

Q. 初診では何日分まで処方されますか

基礎疾患等の情報が把握できていない患者の場合、Q&AのQ23は処方日数の上限を7日間としています。情報が把握できている場合の日数は、医師の判断によります。

Q. 以前に通っていた病気で久しぶりに受診する場合は再診ですか

Q&AのQ4は、治療が長期間中断したあとに同じ病気で診察を受ける場合も「初診」に含むとしています。

Q. オンライン診療だけで治療を続けられますか

Q&AのQ9は、オンライン診療だけで治療が完結するかは個別の判断としています。対面診療との組み合わせが基本です。

Q. チャットだけの診療前相談は認められますか

認められません。Q7は、事前にチャットで情報を集めることは差し支えないとしつつ、診療前相談は映像を用いたリアルタイムのやりとりで行うよう求めています。

この記事の要点

  • 初診からのオンライン診療は、かかりつけの医師が原則。医学的情報を把握でき医師が可能と判断した場合も実施できる(指針Ⅴ1(2)②ⅲ)。
  • それ以外は、映像を使ったリアルタイムの診療前相談を経る(指針Ⅲ1、Q&A Q7)。
  • 初診では麻薬及び向精神薬を処方できない。基礎疾患等の情報が把握できていない場合は7日間が上限(Q&A Q23)。
  • ED治療薬は、禁忌の確認なしに処方できないとQ&AのQ18に書かれている。
  • 医師が適切でないと判断した場合は、対面診療に切り替わる。

参考にした情報

調べた人:オンライン診療、使ってみた。 編集部
料金と条件は、確認日に各社の公式サイトで確かめました。確認できなかった項目は、そのとおりに書いています。
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