包茎手術など男性の美容医療トラブル、国民生活センターの3回の注意喚起に書かれていること
国民生活センターは、包茎手術など男性の美容医療について、2016年6月、2019年11月、2026年1月の3回、注意喚起を出しています。3回に共通する型は、広告より高額な契約、即日契約・即日施術、説明が不十分なままの追加の施術です。助言は一貫していて、その日のうちに契約しないこと、説明に納得できなければ契約しないことです。
この記事は、発表の内容を年ごとに整理したものです。特定の院についての記事ではありません。手術が必要かどうかといった医学的な判断も扱いません。国民生活センターの資料は、契約トラブルについての注意喚起です。
3回の発表の一覧
発表の日付と題名、件数の記載を並べた表です。
| 発表日 | 題名 | 件数の記載 |
|---|---|---|
| 2016年6月23日 | 美容医療サービスにみる包茎手術の問題点 | 過去5年間で男性の包茎手術に関する相談1,092件 |
| 2019年11月21日 | 包茎手術、薄毛治療など、男性の美容医療トラブルに注意! | 美容医療サービスの相談のうち男性の件数を年度別に掲載 |
| 2026年1月20日 | 男性の美容医療トラブルも増加!(見守り・啓発資料) | 件数の記載なし |
2016年6月の発表
2016年の発表は、包茎手術に絞ったものです。
- 相談件数:過去5年間で1,092件。うち20歳代が646件で、約6割
- 危害の内容:痛み、腫れ、組織の壊死、性機能障害など
- 事例:広告では7〜10万円だったが、契約時に約80万円になった
- 事例:医師でない者の説明で、約200万円の契約をした
- 問題点:即日契約・即日施術、説明が不十分なままの追加施術、ホームページの不適切な表現
助言は、リスクの説明を受けて納得できるまで契約しないこと、不要な施術は断ること、即日施術は慎重に考えることです。国民生活センターは、厚生労働省、日本美容医療協会、日本美容外科学会などに要望を出しています。
2019年11月の発表
2019年の発表は、包茎手術に加えて薄毛治療なども対象にしています。副題は「受診はインターネット検索で公的機関の注意喚起情報を調べてから」です。
美容医療サービスの相談のうち、契約当事者が男性だった件数を年度別に並べた表です。
| 年度 | 男性の相談件数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 2014年度 | 413件 | 17% |
| 2015年度 | 409件 | 20% |
| 2016年度 | 421件 | 20% |
| 2017年度 | 382件 | 20% |
| 2018年度 | 440件 | 22% |
| 2019年度(10月31日まで) | 210件 | 22% |
男性の相談では、20歳代が約40%でした。契約金額は、100万円以上300万円未満が589件(約32%)、10万円以上50万円未満が537件(約30%)です。
事例として、次の3つが載っています。
- 包茎手術:広告は7万円だったが、約130万円になった
- 薄毛治療:医師でないカウンセラーが方針を決め、約160万円
- 植毛:リスクの説明が不足したまま320万円
問題点として挙げられているのは、次の4つです。
- 不安に付け込んで契約を急がせる。即日施術を勧める
- 広告と異なる高額な施術や、追加の施術、長期間服用する薬を次々勧める
- 説明が不十分
- 医師資格のないカウンセラーが、診断や治療方針の決定をしていると思われる例がある
2026年1月の発表
2026年1月の発表は、見守り・啓発のための資料です。件数の記載はありません。
包茎手術の事例は次のとおりです。広告には「費用約5万円〜」とあった。来院すると「重度」と言われ、約200万円のコースを提案された。「今日契約で30%割引」と言われ、約170万円を契約し、即日施術を受けた。
医療脱毛の事例も載っています。
3回の発表に共通する型
発表の内容を型ごとに整理した表です。
| 型 | 2016年6月 | 2019年11月 | 2026年1月 |
|---|---|---|---|
| 広告より高額 | 7〜10万円→約80万円 | 7万円→約130万円 | 約5万円〜→約170万円を契約 |
| 即日契約・即日施術 | 問題点に記載 | 問題点に記載 | 事例に記載 |
| 医師でない者による説明 | 事例に記載 | 問題点に記載 | — |
| 追加の施術 | 問題点に記載 | 問題点に記載 | — |
「—」は、当サイトが確認した範囲に記載がなかった項目です。3回の事例とも、広告に表示されていた金額は約5万円から10万円でした。クリニックの公式サイトにある料金の幅と、追加費用についての説明は、4院の横並び比較に並べました。
国民生活センターの助言と相談先
3回の発表にある助言をまとめます。
- 広告をうのみにせず、受診の前に公的機関の注意喚起情報を確認する
- 施術内容、料金、リスクの説明を受け、納得できなければ契約しない
- 医師から副作用・リスクの説明を受ける
- 不安をあおられたり、大幅な割引を提案されたりしても、即日契約・即日施術をしない
- 不要な施術は断る
この助言を、カウンセリングに行く前の準備に置き換えたものを無料カウンセリングの流れと準備に書きました。20歳未満の年齢条件は未成年が受けるときの年齢条件にあります。
契約してしまったあとの相談先
相談先は、消費者ホットライン188です。近くの消費生活センターにつながります。
2026年1月の発表には、クーリング・オフについての案内があります。契約が特定商取引法の特定継続的役務(期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるもの)にあたる場合は、クーリング・オフができるという内容です。自分の契約が対象になるかどうかは、契約書面を手元に置いて消費生活センターに確認してください。
美容医療サービス全体の相談件数
男女を合わせた美容医療サービス全体の相談件数も公表されています(2026年7月31日更新のページ)。
- 2023年度:6,281件
- 2024年度:10,744件
- 2025年度:7,944件
- 2026年度:735件(2026年5月31日現在。前年同期は910件)
この数字には、男性向け以外の施術も含まれます。オンライン診療の定期購入についての注意喚起は定期購入トラブルの注意喚起に、医療広告のルールは医療の広告ルールと当サイトの書き方に書きました。
よくある質問
Q. 注意喚起は包茎手術だけが対象ですか
2016年の発表は包茎手術に絞ったものです。2019年の発表は薄毛治療や植毛の事例も、2026年1月の発表は医療脱毛の事例も載せています。
Q. 2026年1月の発表に相談件数は載っていますか
載っていません。件数があるのは2016年と2019年の発表です。
Q. 相談が多いのはどの年代ですか
2016年の発表では、包茎手術の相談1,092件のうち20歳代が646件で約6割でした。2019年の発表では、男性の美容医療の相談のうち20歳代が約40%でした。
Q. クーリング・オフはできますか
2026年1月の発表では、特定商取引法の対象(期間が1か月を超え、金額が5万円を超える特定継続的役務)にあたる場合はクーリング・オフができると案内されています。対象かどうかは消費生活センターに確認してください。
Q. 国民生活センターは手術そのものを勧めていないのですか
発表は、契約トラブルについての注意喚起です。手術を受けるかどうかの医学的な判断は、医師に相談してください。
この記事の要点
- 国民生活センターは2016年6月、2019年11月、2026年1月に注意喚起を出している
- 2016年の発表では、包茎手術の相談が過去5年間で1,092件、約6割が20歳代
- 共通する型は、広告より高額な契約、即日契約・即日施術、説明不足のままの追加施術
- 助言は、即日契約・即日施術をしない、納得できなければ契約しない
- 相談先は消費者ホットライン188