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AGA・EDの薬の個人輸入 厚労省の注意喚起と数量制限、救済制度の扱い

制度・ルール公式サイトの確認日:

薬の個人輸入は、自分で使う分に限り、決められた数量の範囲で認められています。ただし厚生労働省は、個人輸入される薬は国内の法律に基づく品質・有効性・安全性の確認を受けていないと注意を出しています。健康被害が出ても、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

この記事は、厚生労働省の資料に書かれていることを並べたものです。薬を使うかどうかの判断は、医師や薬剤師に相談してください。

個人輸入とは

個人輸入は、海外の薬を自分で使うために、海外の通販サイトや輸入代行業者を通じて取り寄せることです。国内の医療機関で処方を受けるのとは別の入手経路です。

クリニックが公式サイトで「海外製」と表示している薬は、医師が輸入して診察のうえで処方するものです。この記事が扱うのは、医師を通さずに自分で買う場合です。クリニックの海外製の薬については国内承認薬と海外製の違いにまとめています。

厚生労働省が挙げているリスク

厚生労働省と、同省が委託する「あやしいヤクブツ連絡ネット」は、個人輸入について次の点を挙げています。

  • 品質:「個人輸入される医薬品等の品質、有効性及び安全性については、我が国の医薬品医療機器等法に基づく確認がなされていません」
  • 製造国の基準:「国によっては、医薬品等の品質等について、我が国と同じレベルでの確認が行われていない」
  • 成分:健康食品などとして売られていても、医薬品の成分が含まれている場合がある
  • 相談のしにくさ:「個人輸入された医薬品等については、医師、薬剤師等の専門家でも、その成分や作用等に関する十分な情報を有しておらず」、対応が難しい
  • 偽造品、不衛生な環境で作られた製品がある

健康被害の事例として、ED治療薬(タダラフィル製剤)の偽造品などが挙げられています。

数量の範囲

個人輸入は、自分で使う分に限られます。次の表は、税関の確認だけで輸入できる数量の範囲を、厚生労働省の案内どおりに並べたものです。

区分 数量の範囲
毒薬、劇薬又は処方箋薬 用法用量からみて1ヶ月分以内
外用剤(毒薬、劇薬及び処方箋薬を除く) 標準サイズで1品目24個以内
上記以外の医薬品・医薬部外品 用法用量からみて2ヶ月分以内

表は、税関の確認だけで輸入できる範囲です。個別の製品がどの区分に当たるかは、当サイトでは判断できません。厚生労働省の案内ページで確認してください。

数量にかかわらず輸入できない薬

厚生労働省のQ&A(Q2)は、「自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品は、数量にかかわらず、医師による処方が確認できない限り、一般の個人による輸入は認められません」としています。

別紙のリストには、未承認の医薬品成分として10成分(イソトレチノイン、ミフェプリストンなど)が載っています。フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ダポキセチンは、このリストには載っていません(2026年10月7日に確認)。

リストに載っていないことは、安全であることを意味しません。数量の範囲と、次に書く禁止事項は、リストに無い薬にも当てはまります。

譲渡・まとめ買いの禁止と輸入代行業者

厚生労働省は、次のように書いています。

「輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。」

友人や家族の分をまとめて注文することも、余った分を譲ることも、この対象です。

輸入代行業者について

厚生労働省のQ&A(Q3)は、輸入代行について、未承認の医薬品を広告したり販売したりすることは違法だとしたうえで、「こうした悪質な業者には、くれぐれもご注意ください」と書いています。

健康被害が出たときの救済制度

国内には、薬を適正に使ったのに副作用で入院が必要な程度の健康被害が出たとき、医療費などが給付される「医薬品副作用被害救済制度」があります。運営はPMDA(医薬品医療機器総合機構)です。

個人輸入した薬による健康被害は、この制度の対象外です。厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」に、その旨が示されています。

次の表は、入手経路ごとに、救済制度の扱いを並べたものです。

入手経路 救済制度の扱い
病院・診療所で投薬された国内承認薬 対象(PMDAのQ&A。適正に使用した場合の、入院が必要な程度の健康被害など)
薬局などで購入した医薬品 対象(同上)
クリニックが処方する国内未承認の薬 対象外(医療広告の事例解説書が、対象外である旨の記載を求めている)
自分で個人輸入した薬 対象外(厚生労働省の案内)

PMDAのQ&Aそのものに「個人輸入」と明記した文は、今回確認した範囲にはありませんでした。対象外であることを直接書いているのは厚生労働省の資料です。

ED治療薬の偽造品の調査(2016年公表)

個人輸入の薬については、製薬会社による調査が公表されています。ED治療薬を製造販売する4社(ファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリー)が、2016年11月24日に合同調査の結果を発表しました。

  • 調査期間:2016年3月から8月
  • 方法:日本とタイの調査会社が、個人輸入代行サイトから購入し、真贋の鑑定と成分分析を実施
  • 結果:偽造品は全体で40.0%(70件中28件)。日本での発注分は35.6%(45件中16件)、タイでの発注分は48.0%(25件中12件)
  • 成分:有効成分の量が承認された量を超えているもの、足りないもの、全く含まれないものがあった

これは2016年の調査で、ED治療薬についての数字です。現在の割合や、AGAの薬の割合を示すものではありません。これより新しい合同調査の公表は、今回は確認していません。詳しくは偽造ED薬と個人輸入にまとめています。

国内で処方を受ける場合との違い

国内の医療機関で処方を受ける場合は、医師が問診で既往歴や服用中の薬を確認します。処方される薬が国内承認薬であれば、救済制度の対象になりえます。

オンライン診療について、厚生労働省の指針は、文字、写真、録画動画のやりとりだけで診療を完結させてはならないとしています。信頼できるサービスの見分け方はオンライン診療の見分け方に、副作用が心配なときの相談先は副作用が心配なときに書いています。

よくある質問

Q. AGAの薬を個人輸入することは禁止されていますか

フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルは、数量にかかわらず輸入に医師の処方の確認が要る成分のリストには載っていません。ただし、自分で使う分に限ること、数量の範囲があること、他人に譲れないことは変わりません。

Q. 何か月分まで輸入できますか

厚生労働省の案内では、処方箋薬は用法用量からみて1ヶ月分以内です。それ以外の医薬品・医薬部外品は2ヶ月分以内、外用剤(処方箋薬などを除く)は標準サイズで1品目24個以内です。

Q. 家族の分も一緒に買えますか

いいえ。厚生労働省は、ほかの人の分をまとめて輸入することは認められていないとしています。

Q. 個人輸入の薬で副作用が出たら、どうなりますか

医薬品副作用被害救済制度の対象外です。体調の変化があるときは、医療機関を受診してください。厚生労働省は、個人輸入の薬は専門家でも成分や作用の情報を十分に持っておらず、対応が難しいとしています。

Q. 個人輸入の薬の4割が偽物というのは本当ですか

2016年に公表されたED治療薬の調査で、70件中28件(40.0%)が偽造品だったという結果があります。現在の割合を示す数字ではありません。

この記事の要点

  • 個人輸入の薬は、国内の法律に基づく品質・有効性・安全性の確認を受けていない
  • 自分で使う分に限られ、処方箋薬は1ヶ月分以内などの数量の範囲がある
  • 他人に売る、譲る、まとめて輸入することは認められていない
  • 健康被害が出ても、医薬品副作用被害救済制度の対象にならない
  • 2016年公表のED治療薬の調査では、70件中28件が偽造品だった

参考にした情報

調べた人:オンライン診療、使ってみた。 編集部
料金と条件は、確認日に各社の公式サイトで確かめました。確認できなかった項目は、そのとおりに書いています。
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